昨年、原稿を担当した螢┘スナレッジ出版のムック本が3月10日発売された。「高齢者介護・シルバー事業企画マニュアル」という本だが、この中のグループホームに関する部分の10数ページ分を私が担当した。
グループホームというと最近、世間を騒がすような事件も発生し、色々な問題も指摘されている。これらの問題はすなわち現在の日本が抱えるの高齢社会の問題なのである。
グループホームは介護保険が発足した2000年にはわずか250ヶ所程度だったものが5年後には5700ヶ所以上に急増した。これは厚生省のゴールドプランの想定を大幅に上回る勢いだ。本の中でも書いたが、この原因はグループホームの開設の容易さが一因ではあるが、最大の要因は数量規制前に開設しようという駆け込み競争だと思う。
 すでに指摘されていると思うが、こうした急増する施設に対し専門スタッフの確保が追いつかないのは当然のことである。介護の仕事というのは私などが論ずるまでもなく、専門的知識を要し、また肉体的にも精神的にもかなりハードな仕事である。ところが似たような業務を行う医療の仕事に比べ、そこに従事するスタッフの報酬は格段に低い。これはなにも経営者が大もうけをして安月給でスタッフをこき使っているわけではない。グループホームの経営は主に介護保険収入で成り立っているが、現在の介護保険収入のレベルではスタッフに支払う給料は現行水準より上げようがないのが現実なのである。こういう状況では介護スタッフの質、量を確保するのは今後、益々難しくなる。したがって、前述の事件が再発する土壌は改善されるどころか悪化する傾向にあるのだ。
 介護保険の制度はこのままでは破綻するのは明白だ。負担する年齢層を下げるような検討もされているようだが、この問題の解決は最大の要因である「少子高齢化」の少子化問題の抜本的な解決なくしてはありえない。これは随分以前より指摘されていたのにもかかわらず、対策を怠っていた政府に責任がある。今から子供を育てやすい環境を作ることも重要だが、手遅れだ。てっとり早いのはやはり外国人移民や労働者の受け入れだ。少子化問題は日本などの先進国だけでなく、韓国や中国などでもやがて大きな問題になるだろう。そうなるとこれらの国々も外国人に頼るようになるはずだ。現在の日本は外国人労働者の受け入れに関しては世界一厳しいと言われている。このへんを今から改善し、周辺国に先駆け受け入れ態勢を整備しておかないとまた手遅れになってしまう。
私が高齢者といわれる65歳になるのもあと15年だ。そのころはどんな日本になっているだろう。それまでに介護の問題などは解決されているのだろうか。